虫歯予防
大人の虫歯は、原因やできやすい場所も子どもの歯とは異なる特徴があり、適切な虫歯予防を講じることが必要です。また、大人は虫歯と歯周病のリスクが逆転する人も多く、定期検診によるプロのチェックと指導を受け、生活スタイルや年齢、口腔の状況に合わせた正しい口腔ケアの見直しを行います。
虫歯治療
虫歯はCOに始まり、段階を経てC4へと進行します。ごく初期のCOで留まれば治療は不要ですが、C1~C2になると虫歯になった部分を削り人工の材料で詰めたり、被せたりします。
さらに進行してC3になると、歯冠を大きく削り神経を取るなどの根管治療を行います。治療後は少なくなった歯質を補強して被せることが多いですが、根管の再感染や虫歯が悪化するリスクは高くなります。C4では、抜歯が適応となることがほとんどです。
根管治療
根管治療は、細菌に感染して炎症を起こした神経を取り除いた後、根管の内部を消毒して封鎖する治療です。具体的には、針状の器具を根管に挿入して感染した組織を掻き出し、消毒薬を封入して無菌になるまで繰り返し殺菌します。無菌になったことを確認したら、再び細菌が侵入しないよう密封します。
根管治療は歯を残すための最終手段で根管治療の専門医がいるほど難しく、治療精度を高めるためのマイクロスコープを使う歯科医院も増えています。
歯のブリッジ治療
歯が欠損した部分を補うために、隣接する歯を支柱として一体型の人工物を被せる方法で、複数の歯の欠損やインプラントにも活用することができます。
審美歯科におけるブリッジは、セラミックやジルコニアなどの材料を使うことで審美性、耐久性、再現性、強度など、さまざまな点で保険診療で入れるブリッジのデメリットを大幅にカバーすることができます。ただし、保険が適用されないため費用は高額になります。
入れ歯・義歯
入れ歯(義歯)は、歯がなくなった部位に補綴装置を装着して、歯の機能回復を図る歯科治療です。装置は歯茎と歯が一体化された構造で、欠損の状態によって部分入れ歯と総入れ歯に分けられます。
保険診療の入れ歯は歯科用の樹脂(プラスチック)でできており、そのうち部分入れ歯はクラスプと呼ばれる金属のバネで安定させます。自費診療の入れ歯は、厚みや違和感、見た目などにこだわった材料と構造でバリエーション豊富ですが、費用が高額になります。
レーザーによる歯周病治療
歯周病の治療は、歯周ポケット内にある歯垢や歯石などを徹底的に取り除くことが基本です。
従来は麻酔をして行う外科的治療が主流でしたが、近年レーザーを使って歯周ポケット内の歯石除去や炎症を起こした歯茎を蒸散したり、細菌を死滅したりする治療を行う歯科医院が増えています。
歯周病治療で使用されるのは歯科専用のレーザー(主にエルビウム・ヤグレーザー)で、安全性が高く身体的な負担の軽減や時間的なメリットがあります。