ホワイトニングとは
ホワイトニングは歯に専用の薬剤を作用させて、いわゆる漂白処理をすることにより、歯を白くする施術です。そして、ホワイトニングには歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行うオフィスホワイトニングと、ご自身で行なっていただくホームホワイトニングの2つの方法が主流となっています。
その歴史は古く、古代ローマ時代に尿を使ってホワイトニングを行っていたという記載が残された書物もあります。また、漂白に使用するものは硝酸や塩酸、紫外線など時代によってさまざまです。
現代のホワイトニングでは、過酸化水素や過酸化尿素を使用しています。成分としては、古代ローマ人の尿による漂白も現代と共通するところがあります。
オフィスホワイトニングとは
オフィスホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士が歯科医院内で専用の機器を使用して行うホワイトニングです。
一般的には、歯肉を保護した後に漂白したい歯の表面に過酸化水素を含むホワイトニング専用ジェルを塗布し、専用機器を使って光エネルギーを照射することで薬剤の作用を促進します。
オフィスホワイトニングはこんな方におすすめ
- 短時間または短期間で白い歯になりたい
- 結婚式など人前に出る予定があり、それまでにきれいな白い歯になりたい
- ホワイトニング専用ジェルによるリスクをできるだけ少なくしたい
- トレーなどを口に入れると嘔吐反射が起こりやすい
オフィスホワイトニングの特徴
オフィスホワイトニングは、短時間で効果を実感しやすく、専用の薬剤と機器で安全に施術ができます。
効果の実感が速い
オフィスホワイトニングは、歯面に塗布したジェルに専用の光照射器から放出される光エネルギーを当てることで、反応を促進させスピーディに歯を白くすることができます。ホームホワイトニングはこのような光エネルギーを使用しないため、反応がゆっくりと進みます。
したがって、オフィスホワイトニングは短い時間でホワイトニング効果を得ることができます。
安全性が高い
ホワイトニング用のジェルは歯肉への刺激があるため、歯肉に付着すると人によっては炎症を起こすことがあります。
ホームホワイトニングの場合、専用のマウストレー(マウスピース)にジェルを自分で入れて行いますが、入れすぎると漏れて歯肉に付着するため、炎症による痛みを感じることがあります。
オフィスホワイトニングでは、歯肉を保護剤で保護してから施術を行いますので、歯肉に付着することによる炎症を予防でき、安全性を保持することができます。
マウストレーがいらない
ホームホワイトニングでは専用のマウストレーが不可欠ですが、嘔吐反射の強い人などはマウストレーの装着も難しいことがあります。
オフィスホワイトニングはマウストレーを使用せず、直接1本1本塗布しますので、嘔吐反射のある方も受けやすいといえます。
当院採用の「ティオンオフィス」の特徴
当院では、ホワイトニングの実績が豊富なティオンオフィスを使用しています。
過酸化水素の濃度が低い
ティオンオフィスは、主成分が過酸化水素のホワイトニングジェルです。
一般的にオフィスホワイトニングで使用される過酸化水素は濃度35%ですが、「ティオンオフィス」は約23%で濃度を低く設定されており、安全性を高めた製品となっています。
不快症状が少ない
ホワイトニングでしばしば見られる副作用として、知覚過敏などの不快な症状があります。その原因は、ジェルに含まれている過酸化水素による刺激とされています。
ティオンオフィスは、過酸化水素の濃度を低くしているため、不快症状のリスクを低減しています。
高い漂白効果の実現
ティオンオフィスは、安全性を高めるために過酸化水素の濃度を低くしたことによって効果が低下しないよう、酸化チタン系光触媒という特殊な成分を配合しています。これによって、可視光線によるエネルギーでも漂白効果を高く維持することが可能になっています。
紫外線の必要性が低い
一般的にオフィスホワイトニングに使用する光照射器では、紫外線が多く放出されます。その理由は、ホワイトニングジェルに含まれる二酸化チタンという光触媒成分が紫外線領域に対しての吸収性が高い反面、可視光線では低くなるからです。
ティオンオフィスに含まれている酸化チタン系光触媒は、二酸化チタンと比較しても紫外線領域に対する光吸収性が低く、可視光線では高いという特徴があります。したがって、安全な可視光線でも十分な効果が得られ、人体に有害な紫外線の照射を減らすことができます。
ホームホワイトニングとは
ホームホワイトニングは、個別に作成したカスタムトレーに専用のジェルを入れて装着するホワイトニングです。カスタムトレーは、ホワイトニング開始前に歯型を採り、患者様の歯列にフィットするものを製作します。
ホームホワイトニングの薬剤は、成分に過酸化尿素が使用されています。過酸化尿素は作用がマイルドなので、継続して使うことで徐々に歯に作用します。漂白の進み具合はそれほど速くありませんが、自宅で継続的に使用しやすいことから後戻り防止ができ、白くなった歯を維持しやすいというメリットがあります。
ホームホワイトニングはこんな方におすすめ
- 白くなった歯を維持したい
- 周囲に気付かれないよう徐々に白くしたい
- オフィスホワイトニングの効果が出にくい歯列不正の部分もしっかり白くしたい
- 現在の歯に詰め物や被せ物があまりない
- 歯科医院を受診する時間がとれない
- 自身で正しい使用法を守って続けることができる
ホームホワイトニングの特徴
特徴を理解して自分の生活スタイルに合った方法で施術を行うことで、納得のいくホームホワイトニングの効果を得ることができます。
漂白効果の即効性
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを比較すると、1回あたりで効果の出る速さはホームホワイトニングの方が緩やかです。言い換えれば、ホームホワイトニングは即効性は低いものの色の変化が急速ではないため、自然に白くなるという点がメリットといえます。
効果の持続性
ホームホワイトニングで変化した色調は、生活習慣などによって個人差があるものの半年から1年程度は持続できるため、オフィスホワイトニングより持続性が高いことがメリットです。
色調の調整
オフィスホワイトニングは即効性が高く個人差はあるものの、1回の施術によって1~2トーンの効果が期待できるとされています。
それと比べてホームホワイトニングは、継続的に施術することで徐々に薬剤の反応が進むため、長い目で見ると色の変化の大きさに優れているといえます。
施術の簡単さ
ホームホワイトニングでは、開始前にカスタムトレーの製作が必要なため、歯科医院を受診する必要がありますが、その後はご自宅で自身で施術を行うため、基本的に受診は不要となります。ただし、ホワイトニングの効果の確認や口腔管理など、定期的な受診がおすすめです。
適切な使用方法と管理
ホームホワイトニングは基本的に施術を自己管理で行うため、最大限に効果を引き出すためには使用方法をきちんと守り、適切に行うことが大切です。
当院採用の「ティオンホームプラチナ」の特徴
「ティオンホームプラチナ」とは、より高いホワイトニング効果と安全性・使いやすさを兼ね備えたホワイトニングシステムです。
ホワイトニング効果の実感が速い
「ティオンホームプラチナ」で使用する薬剤は、親水性があり唾液とも馴染みがよいため、歯面に対して効率的に作用します。
そのため、ホワイトニング効果をより速く実感することができます。
ホワイトニング効果が長持ちする
通常のホームホワイトニングでは、緩やかな作用と長期的な効果が特徴です。
「ティオンホームプラチナ」は速く効果が表れるだけでなく、ホームホワイトニングのメリットである長期的な効果も期待できます。
安全性が高い
日本国内で認可された薬剤と同成分、同濃度ですので、他のホワイトニング剤と安全性に違いはありません。
マウスピースの装着感が快適
「ティオンホームプラチナ」で使用するマウスピースは、ポリオレフィン系に分類される素材のシートで、一般的なものより柔らかい特性があります。そのため、違和感が少なく快適に使用することができます。
取り残しがわかりやすい
ホームホワイトニングでは、施術終了後ブラッシングで歯面に残った薬剤を除去する必要があります。
「ティオンホームプラチナ」のホワイトニング剤は目立ちやすい白色なので、もしブラッシングで取り残しがあっても容易に見つけることができます。また、トレーの洗浄時にも、トレー内に残ったホワイトニング剤がわかりやすいのでお手入れがしやすくなります。
歯への密着度が高い
「ティオンホームプラチナ」のホワイトニングジェルは、垂れにくく、歯面に密着しやすい特徴があります。指示された量を守って行えばトレーからあふれることもないので、歯肉に影響を与えるリスクを低減できます。
医療ホワイトニングとセルフホワイトニングの違い
医療ホワイトニングは歯科医療機関が提供しており、サロンや美容室、ジムに併設されたセルフホワイトニングなどでは、ホワイトニングに使用できる器具や薬剤が法律によって制限されています。
歯科専門職による医療行為
医療ホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士などの国家資格を有する者のみ行うことができる医療行為です。それとは異なり、セルフホワイトニングは、名称の通りセルフ(自分)で行うケアとなります。
使用する器具、薬剤の違い
医療ホワイトニングで使用する薬剤は、成分や濃度が薬事法で明確に定められており、専用の器具を使って歯の内部まで色素を分解します。
セルフホワイトニングで使用するのは、歯磨剤や化粧品として分類されている製品です。
治療効果
医療ホワイトニングで使用するのは、1回または継続的に使用することによってホワイトニングの効果が実証されている製品及び器具を使用します。
セルフホワイトニングでは、効果に対するエビデンスが明確にされていないものがほとんどです。
医療ホワイトニングが提供する3つのホワイトニング
医療ホワイトニングには次の3つの方法があります。
- オフィスホワイトニング:院内で歯科専門職が行う
- ホームホワイトニング:自宅でカスタムトレーを使用して行う
- デュアルホワイトニング:上記の2つを併用する
このうちホームホワイトニングは、場所を選ばずにご自身で行なっていただく施術ですが、歯科医師の診断と指導の下に行う医療行為であり、セルフホワイトニングと同じではありません。
安全性
ホワイトニングを行う際、歯や粘膜などに痛みなどを感じることがあります。このような不調が起こった場合、医療ホワイトニングであれば迅速に対応できるので、安全性を考慮して歯科医院でホワイトニングを受けることをおすすめします。
ホワイトニングの症例写真
オフィスホワイトニングの流れ
オフィスホワイトニングは、歯科医院を受診して行われる施術です。
- 1.
検査と診断
歯の色を確認し、色調の変化の原因について検査を行います。
虫歯や失活歯(神経が死んでいる歯)が原因であれば治療を行いますが、ホワイトニングの効果が期待できないこともあります。ホワイトニングが適応される歯の変色と診断された場合は、シェードガイドという色見本を用いて現在の歯の色を確認します。 - 2.
PMTC
PMTCとは、専用の機器をつかって歯の表面を磨き上げるクリーニングです。ホワイトニングの前に行うことで、歯面の傷による色むらを防止することができます。
- 3.
口唇の保護と口角鈎の装着
オフィスホワイトニングの施術時間は1時間程度です。その間は口唇を広げて口を開けた状態ですので、乾燥防止のためにリップジェルを塗ります。
そして、確実に口唇を広げてホワイトニングジェルが口唇や顔に付着しないよう保護するために、フェイシャルシートと口角鈎を装着します。 - 4.
歯肉保護
ホワイトニングジェルの付着による歯肉の炎症を防ぐために、歯肉に保護剤を塗ります。
- 5.
ホワイトニングジェルの塗布
ホワイトニングジェルを歯の表面に丁寧に塗布します。ホワイトニングジェルは高濃度の薬剤で、歯の内部に浸透し、着色汚れを効果的に分解・除去します。
- 6.
光照射
専用の光照射器でジェルを塗布した歯に光を照射します。
照射時間は1回あたり6~8分程度で、1回目が終わったらジェルを拭き取り新たに塗りなおして光を照射するという流れを3回繰り返して行います。途中唾液が溜まった場合には、バキュームで吸い取ります。 - 7.
ホワイトニングジェルの除去
光照射が終わったら、綿球などでホワイトニングジェルを丁寧に拭き取ります。綿球で除去した後、水流を使って残ったジェルをきれいに除去します。
- 8.
歯の色のチェック
施術終了後、シェードガイドを使って歯の色を確認し記録に残します。
ホームホワイトニングの流れ
ホームホワイトニングは、施術開始前に受診してカスタムトレーを作成し、その後はご自宅で施術を行なっていただきます。
- 1.
事前検査と機械的歯面清掃(PMTC)
う蝕(虫歯)や歯周病がないか検査を行い、歯の状態を確認します。
問題がなければ、PMTCで歯面を徹底的にクリーニングし、バイオフィルムやステインを取り除きます。また、シェードガイドを使って歯の色や明るさのチェックを行い、施術前の状態の評価を行います。 - 2.
カスタムトレーの製作
患者様にフィットするカスタムトレーを製作するために歯型を採取します。安全性と効果を高めるためには、カスタムトレーの使用は必須です。
- 3.
カスタムトレーのお渡しと使用方法の説明
カスタムトレーが完成したら合い具合を確認し、ホワイトニングジェルの入れ方や手順について説明します。
カスタムトレーを装着して不具合を感じる場合には調整を行いますので、遠慮なく早めに申し出てください。 - 4.
ご自宅で継続してホームホワイトニングの実施
最大限にホワイトニングの効果を得るために、使用方法を守って実施しましょう。もし、しみたり、チクチクしたりといった何らかの違和感や症状がある場合には、我慢せずに使用を中止して早めにご相談ください。
- 5.
定期的な来院による施術状況の確認
ホームホワイトニングに使用するジェルは、追加購入ができます。施術期間はホワイトニングの効果や歯と粘膜の状態などを自身で管理していただくことになりますが、定期的に受診して状態の確認をすることで、より安全に継続できます。
ホワイトニングの料金
ホワイトニング
(マウスピース+ホワイトニングジェル)
よくある質問
効果は個人差がありますが、オフィスホワイトニングでは1回で効果が実感できることが多いです。
ホワイトニングは、歯を削ることなく薬剤の反応によって漂白しますので、ダメージはありません。
処置後48時間程度は色素の再付着防止のため、コーヒーやカレー、赤ワインなどの色素沈着が起こりやすい飲食物は控えるようにしましょう。
院内では、ホームホワイトニングジェルの保管は適切な温度で行っています。自宅では、開封前も開封後も冷蔵庫で保管してください。
長時間高温で保管されたジェルは、品質が劣化して効果が低下していることがあります。
オフィスホワイトニングでは3〜6ケ月程度、ホームホワイトニングでは1年程度とされていますが、個人差があります。
治療概要
治療方法 | |
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治療の説明 | ホワイトニングは薬剤で歯を漂白する施術で、歯科医院で歯科医師または歯科衛生士が施術し、即効性があるオフィスホワイトニングと自宅で行い持続性が高いホームホワイトニング、両方を併用するデュアルホワイトニングがあります。 |
治療費 | 18,000〜30,000円 |
治療期間 | オフィスホワイトニング:1日、ホームホワイトニング:頻度による(7回分/本など) |
通院回数 | オフィスホワイトニング:1回、ホームホワイトニング:2回(型取り+トレーお渡しと説明) |
治療の副作用(リスク) | 知覚過敏、歯髄炎、歯肉炎、口内炎、漂白時の歯の色むら |